数々の大会で受賞実績がある日本を牽引する
若手パティシエが本誌のために夢の競宴。
厳選素材と至高の技術を惜しげもなくつぎ込んだ、
贅を極めた一品を作ってくれました。自分へのごほうび、
大切な人への贈り物など、特別なシーンのおともにどうぞ。
宝石をイメージしたスタイリッシュなチョコレートは異なる味わいのガナッシュ (※1)入り。シャンパンゴールドの2種はトンカ豆(※2)&キャラメル、丸形のエメラルドグリーンはジャスミン、ハート形のルビーレッドはフランボワーズ。そこに、女性にうれしいコラーゲンパウダーをふんだんに投入!という繊細かつ大胆なアイデアは菊地シェフならでは。多くのコンテストで高く評価されてきたシェフのオリジナリティが感じられる、見た目以上の傑作が誕生した!
水野シェフのスペシャリテの一つであるザッハトルテ(※3)をグレードアップした作品は、印象的なヘーゼルナッツチョコのレリーフがまるで美術品のよう。フランスの蚤の市で見つけてあたためていた貴重な骨董品を型に上面のプレートを作成、生地の中はバラが香るいちじくジャムを2段にサンドした。華やかなバラの香り、ナッツ感あるチョコの甘さ、たっぷり練り込まれたチョコチップのザクザク食感……とシェフが大切にしている〝味覚の順番〟を堪能できる。
表面はサクサクなのに、一口噛むと、しっとり&もちっとした食感。その秘密は、余計な油分が出ない上質なスペイン産のアーモンド粉を使っているから。口溶けや香りにこだわり、原価ギリギリでも、上質な素材を手仕事で取り入れるのが森シェフのこだわり。酸味が爽やかなフランボワーズや、濃厚なショコラ、ほろ苦く香ばしいキャラメルなど……単調になりがちなチョコレートクリームを7種類のフレーバーで食べ比べできるのもうれしい魅力。
日本では西園シェフしか取り扱っていない、きび糖のみを使用したモモトンボ社のチョコレート。ナチュラルでミネラル感がある甘さが最大の特徴だ。そのカカオ70%のビターチョコレートで作った丸形プレートにちりばめているのは、鮮やかでベリー系の酸味がありナッツの食感が楽しめる「ヌガールージュ」。本来ねっとりしたイメージがあるが、シェフ自慢のヌガー(※4)は濃厚なコクがあるのに、驚くほど軽い!さらに金箔で高級感がグレードアップ。
(※1)ガナッシュとはチョ コレートに生クリームなどを練り込み、軟らかくしたもの。(※2)トンカ豆は中南米原産のスパイスで、バニラや杏仁に似た甘い香りが特徴。(※3)ザッハ トルテはオーストリアの伝統的なチョコレートケーキ。あんずジャムを塗った生地をチョコでコーティングするのが一般的。(※4)ヌガーとは砂糖と水飴を煮詰め、泡立てた卵白を加える軟らかいキャンデー。